茶園モニタリング人工衛星 “安渓鉄観音1号” 爆誕!

こんにちは、中国茶ライフスタイル文化協会代表理事のゆえじです。

今回は人工衛星「安渓鉄観音1号」!?の話題についてお届けします。

人工衛星“安渓鉄観音1号”打ち上げ成功

2022年2月27日午前11時6分、中国文昌衛星発射センターから長征8号ロケットに搭載された人工衛星“安渓鉄観音1号”が打ち上げられました。

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この“安渓鉄観音1号”(通称「安鉄1号」)は中国初の茶園モニタリング衛星です。茶業のために人工衛星を打ち上げるなんて話聞いたことないので、中国初、というよりも恐らく世界初の試みである気もします。

期待される機能としては、茶園モニタリング以外にも自然環境や災害の観測、違法建築の摘発などが想定されています。

“安渓鉄観音1号”の特徴

1、フルカラー高解像度映像で、茶樹1本の具体的な状況まで観察することができる

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2、低照度カメラで暗闇でも鮮明な撮影が可能。夜間も継続してモニタリングできる

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3、一度に広い範囲のデータを取得できる(取得面積は1日あたり17万km2とも)

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4、高度なデータ処理技術を採用、より高速・高精度のデータ取得が可能

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5、必要に応じて中国国内だけでなく全世界に向けたデータ供給も可能

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安渓は烏龍茶で発展した地域

福建省南部の安渓県。今でこそ安渓鉄観音というブランド烏龍茶によって中国を代表する一大茶産地としてその名が知られていますが、もともとは貧しい地域でした。

地元の豊かな環境資源を生かし、品種改良や生産効率を向上させ続けた結果、数十万人の茶農家に利益をもたらす烏龍茶産業を創出することに成功、経済的な発展も果たしました。

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一方で過剰な茶園開発、供給過多、農薬管理の不行き届きなどによりブランド価値を落とした時期もありましたが、近年は改めてクリーンでエコな茶業発展に力を入れています。

2020年10月9日、安渓県は中国生態環境部より第四次国家エコロジー発展模範エリアに認定されました。

安渓では農家の所得の56%は茶業関連によるものです。もはや安渓にとって茶業は社会経済そのものと言っても過言ではないレベル。彼らの生活を維持するためにも茶業の更なる活性化と持続可能な発展は必須課題といえます。

こうした背景から、安渓では全国に先駆けて積極的に茶園管理のデジタル化を推進しています。

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さまざまな取り組みをしている中でも、今回の人工衛星の打ち上げは画期的な施策といえます。というのも、この人工衛星がきっかけで茶業だけでなく「衛星応用産業」の先進エリアとしてハイテク企業の誘致などができれば今後中国国内での安渓の影響力が増していく可能性もあるからです。

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とはいえ安渓の基軸産業はやはり鉄観音を中心とした茶業になりそうです。今後はR&Dイノベーションコンペなどを行い、鉄観音の応用領域の拡大を目指した基礎研究も進めていく計画だとのこと。

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ゆえじの雑感

茶業の持続可能な発展のために人工衛星を飛ばすという発想はなかなかすごいと思います。こういうところはほんと中国。

この人工衛星によって具体的にどんな成果が得られるのか、今後の動きに注目です。

▼元記事はこちら(中国語)
https://www.puercn.com/news/114100/

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