2021中国茶輸出統計と春節「干支茶」商戦

こんにちは、中国茶ライフスタイル文化協会代表理事のゆえじです。

今の記事では、2021年の中国茶輸出統計の紹介と、「干支茶」の春節商戦についてです。

2021年1-12月中国茶葉輸出データ統計分析

中商産業研究院のデータを見ると、近年の中国茶の輸出量は年間35万トン前後で安定的に推移しています。

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この理由としては主に、国外市場の茶葉需要が基本的に飽和しつつあることが考えられます。

2020年は新型コロナウィルスの流行やそれに伴う国際物流網の混乱の影響で茶葉輸出量も小幅減少していましたが、2021年は年間で36.9万トンと前年から5.9%増加し2019年並みの水準に戻りました。

輸出額は毎年増加傾向にあり、2016年の14億ドルから2021年は22億ドルとなり、前年比12.8%増で推移しています。輸出額の増加率も2020年は前年比0.9%と落ち込みましたが2021年には回復、2022年も引き続き増加が見込まれています。

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価格が上がっている背景としては、原材料費や人件費の高騰による原価の上昇がもっとも大きな原因といえますが、他には付加価値をつけた高価格帯の茶葉の需要も一部では増えてきていることも考えられます。

2021年1-12月中国茶叶出口数据统计分析-中商情报网2021年1-12月中国茶叶出口数据统计分析www.askci.com

2022年限定虎年ラベルの茶葉が勢揃い

今年は2月1日が春節でした。春節といえば家族や親戚が集まる一大イベント!

特に春節に贈るお茶を「干支茶(中国語:生肖茶)」と呼び、中国茶メーカー各社もこの春節商戦に合わせてその年の限定パッケージ商品をいろいろ出しています。2022年は寅年、ということで虎祭り!

大益2022年瑞虎呈祥
種類:普洱茶・生茶
規格:357g/餅

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中茶2022年虎啸津生
種類:天尖茶
規格:1000g/餅

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▼金駿眉ブームの火付け役として有名な正山堂も寅年パッケージ出しています

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他にもいろいろ。
散茶タイプもありますが、贈答品としては餅状に固めた緊圧茶が主流のようです。

名称未設定

2022六大茶类虎年生肖纪念茶汇聚 – 茶友网(原中国普洱茶网)虎为十二生肖之一,排行第三,称为寅。生肖虎代表着勇猛,象征着不可战胜,被称为“百兽之王”的虎是权势、荣耀、力量的象征,也是www.puercn.com

合理的な価格の商品が好まれる傾向

中国の贈答品といえば豪華なパッケージに包まれた高価なものが好まれるイメージが強いです。

実際私が福建で生活していた時もそれは感じました。プレゼントといえばとにかく豪華で見栄えがいいものを選ぶ。値段ももちろん高価格帯のものばかり。でもドカーンと大きな箱を開けると中には小さなお茶の缶がいくつか入っている…みたいなのはよくありました。

こんなイメージ↓

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しかし近年の傾向では消費者は贈答品といえど合理的な価格帯のものを好む傾向が出てきているようです。

ある調査によると、消費者の70%は自宅用には100〜400元の茶葉を買い、80%は贈答品用の茶葉に100〜600元を使う、とのこと。大部分の消費者は贈答品といえど、普段飲みよりちょっと高い程度のものを選ぶんですね。

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また、インターネット上で茶葉を購入する際、100〜200元の茶葉を買う人が全体の約40%、50元以下や400元以上の茶葉を買う人はそれぞれ10%にも至りません。また、茶葉を選ぶ際に品質を重視する、と答えた人の割合は自宅用が69%、贈答品用が62%。

このことから、中国の消費者にとって茶葉の品質はもちろん大事ではあるものの、同時に価格の合理性も重視しているということがわかります。

贈答品としての茶の需要はまだまだ伸びそう

干支もお茶も古くから続く中国伝統文化。その2つを融合させた「干支茶」は中国の人々の“誇り”に刺さるので、とてもウケがいいとか。

また、新年といえば日本もおせちにお雑煮に…と盛り上がるのと同じように、中国でも家族で豪華な食事を囲みます。そんなときにお茶は消化促進のお供として重要な存在。そういう意味でも新年の贈り物としてピッタリですね。

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iiMedia Research(艾媒咨询)の調査によると、中国国内における贈答品茶の市場は毎年増加傾向にあるとのこと。特に直近5年の売上金額は毎年平均10%前後で増えており、2023年には市場規模は527億元に達し、5年前の2倍になるとの予測が出ています。

とはいえ、2021年の春節贈答品市場全体の中での茶の占める割合はたった5%、中国全体ではまだまだメジャーな存在ではありません。

逆にいえばこれから成長する余地はたくさんあるといえるので各社さまざまなプロモーションを打って商機を狙っているようです。

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ゆえじの雑感

干支の限定ラベル茶はおもしろいなぁと思います。

たとえば毎年同じメーカー同じ種類の干支茶を買って、12年かけて全部揃える。そしてその12年分のお茶の味わいの変化を追いかける…って、楽しそう!!

そう考えると干支茶としては長期保存に向く黒茶(普洱茶など)が強そうですよね。

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