【白茶】白牡丹の特徴、産地、歴史・逸話

代表的な白茶の一つである白牡丹について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。

白牡丹の特徴

  • 白牡丹( はくぼたん / bai mu dan )
白牡丹 茶葉

香港やマカオなど広東エリアで人気のお茶。緑の葉の中の白い芯(芽)が花のように見えるため、白牡丹という名で呼ばれるようになった。

香りも水色も同じ白茶の白毫銀針と比べるとやや濃い傾向。中医学的な性質は「清涼」であり、熱を取り除く効果があるため、夏に飲むお茶として適している。

形状芽が太く、葉がふっくらしており、
白い産毛が目立つ
水色透明感のあるオレンジがかった黄色
香り爽やかで干し草のような甘みを帯びている
(この甘みを産毛の香り「豪香」と表現する)
味わい口当たりは柔らかくさわやか。
コクと自然な甘みを感じる

白牡丹の産地

  1. 福建省宁德市福鼎市
  2. 福建省南平市政和、松渓県、建陽県

白牡丹のおもな産地は福建省。一般的には産地によってそれぞれ福鼎白茶、政和白茶、松渓白茶、建陽白茶と名付けて区別している。中でも福鼎市は茶葉の生育に適しており「白茶の郷」と称されている。

海抜1000m前後、亜熱帯の丘陵地域
年間平均気温18.5℃
年間平均降雨量1,600mm前後
土壌紅黄質、肥沃

※上記表のデータは福建省福鼎市南部

白牡丹の歴史・逸話

  • 1920年代前後に建陽市水吉郷で生産が始まり、その後政和県など他の産地へ広がっていった。
  • 宋の皇帝、徽宋帝が著した「大観茶論」(1107年)の中で「白茶」という記述が登場するが、この当時は北苑の龍鳳団に代表される固形茶が中心の時代であるため、現在の白茶とは異なるものだったと考えられる。
  • 白毫銀針に使用された後の、白い産毛でおおわれた芽と葉を原料としている。基本的に一芯二葉で摘む。特に、芽、一葉、二葉、それぞれに産毛がみられるものは「三白」といわれる。
  • 使われている品種は政和大白種、福鼎大白種、水仙など。
  • 製造工程は「萎凋」で茶葉の発酵を促し「乾燥」させるだけ、と非常にシンプル。発酵を止める「殺青」の工程がないため、時間が経つにつれて徐々に酸化発酵が進んでいき、茶の性質がまろやかに変化する。
  • 近年では5~6年以上熟成された陳年茶も人気。
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