代表的な中国緑茶の一つである太平猴魁について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。
太平猴魁の特徴
- 太平猴魁(たいへいこうかい / tai4 ping2 hou2 kui2)
黄山毛峰と並ぶ安徽省の銘茶。5~7cmと非常に大きく平たい豪快な茶葉が特徴。その見た目に反して、香りも味わいは上品で飲みやすい。耐熱グラスで飲むと美しい茶葉の姿も楽しめる。
形状 | 5~7cmと非常に大きい扁平状の茶葉 |
水色 | 透明感のある明るい若葉色 |
香り | 清涼感のある爽やかな香り。 独特の蘭の花のような 「猴韻(こういん)」がある |
味わい | 芳醇でまろやか |
太平猴魁の産地
- 安徽省黄山市黄山区猴坑、猴崗、顔村一帯
黄山は安徽省と貴州省の間に位置し、高くそびえる奇峰や雲海などの自然風景が有名で世界遺産にも登録されている。地質がよく、気候も温暖で霧も多く出るため茶葉の生産に適した土地でもある。
海抜 | 700~1200m |
年間平均気温 | 15~16℃ |
年間平均降雨量 | 2000mm |
土壌 | 酸性、黒砂 |
太平猴魁の歴史・逸話
- 太平猴魁は清代末期、1900年初めに作られ始めた比較的新しいお茶。
- 黄山市黄山区は以前は太平と呼ばれており、黄山一帯の茶区でも特に古い茶区の一つ。
- 猴坑という場所に住んでいた王魁成という人物が作り始めたため、この名称になった。
- 1915年のパナマ太平洋万博で金賞を受賞し、国際的な知名度が上がった。
- 1980年以降、中国国内でも数々のコンテストで受賞し、銘茶に名を連ねるようになった。
- 乾燥した茶葉の形は「刀や槍が集結したよう」であり、お湯を注いだ後の茶葉は「竜が飛び鳳凰が舞う(竜飛鳳舞)」と形容される。
- 太平猴魁にはグレードの高い順に「猴魁」「魁尖」「尖茶」という呼び名がある。
- 伝統的にはさらに細かく「猴魁」「魁尖」「貢尖」「天尖」「地尖」「人尖」「和尖」「元尖」「彎尖」と区分されていた。