代表的な中国緑茶の一つである六安瓜片について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。
六安瓜片の特徴
- 六安瓜片(ろくあんかへん / Liu an gua pian)
伝統的な中国十代銘茶の一つで、西湖龍井や碧螺春と並ぶ代表的な緑茶。
中国緑茶は、柔らかい芽を多く使っているものほど高品質なお茶であると評価されるのが一般的だが、この六安瓜片は芽を使わず葉の部分のみを摘み取り製造される。
葉の形が瓜の種に似ているため「瓜片」と呼ばれる。別名、片茶とも。烘青緑茶。
形状 | 葉は深い緑色で内側に丸まっている |
水色 | 明るい緑色 |
香り | 清らかで透明感のある香り |
味わい | フレッシュで旨みがある |
六安瓜片の産地
- 安徽省六安市大別山一帯
六安瓜片は六安、金寨、霍山の三県にまたがる山陵地区で生産され、大きく内山と外山の二つの産地に分けられる。特に金寨県斎雲山鮮花嶺蝙蝠洞のものが最上とされ「斉山名片」と呼ばれる。
海抜 | 100~300m前後 |
年間平均気温 | 約15℃ |
年間平均降雨量 | 1200~1400mm前後 |
土壌 | 褐色、黄色土 |
六安瓜片の歴史・逸話
- 唐代から続く銘茶。唐代では「廬州六安茶」と呼ばれていたが、明代の初期に献上茶となってから「六安瓜片」の名で広く知れ渡るようになった。
- 明代に許次紓が著した『茶疏』の「産茶」の項目で六安瓜片に関する記述がある。
大江以北,則稱六安,然六安乃其郡名,其實產霍山縣之大蜀山也。
茶疏ー維基文庫
- 同じく明代、聞龍が著した『茶箋』の中で「六安の茶葉を薬に入れるのが最もよい」と書かれているらしい。 (私にはどの部分かよく分からず)