お湯の注ぎ方による中国茶の味わいの変化に関するレポート

この記事は、「ダブハピ団」での実験内容を記録したものです。参加者たちが同じ茶葉を使いながら、お湯の注ぎ方を変えることで味わいがどう変化するかを検証しています。

お湯の注ぎ方の2つの方向性

実験では主に2つの注ぎ方の違いに焦点を当てています:

  1. 勢いよく注ぐ方法
    • 狙い:茶葉の抽出を促進する
    • 特徴:
      ・香りがはっきりと立つ
      ・茶葉がよく動く
      ・短時間でしっかりした味わいが出る
      ・デメリット:抽出されすぎて濃くなりすぎたり、渋みが出ることがある
  2. ゆっくり注ぐ方法
    • 狙い:抽出を控えめにする
    • 特徴:
      ・味のまとまりが良くなる
      ・口に入れた時に「つるんとした感覚」
      ・清らかさや上品さが出やすい
      ・デメリット:味が薄くなり、物足りなさを感じることがある

茶葉に対する注ぎ方のバリエーションとして、茶葉に直接当てる方法と外腕の縁に当てる方法の違いについても言及されています。

各茶葉における注ぎ方の違いによる結果

1. 緑茶・黄山毛峰(Mさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色は濃く出た
    • 喉に残る渋みが感じられた
    • 1煎目から2煎目で渋みが緩やかになった
    • 口当たりはさらっとした感じ
  • ゆっくり注いだ場合
    • 水色は薄くなった
    • 甘みをより感じた
    • 「しっとり喉に流れていく甘み」
    • 口当たりはまろやか
    • 2煎目では香りが立ち、香りの主張が強くなった

2. 緑茶・都匀毛尖(Mさん)

  • 勢いよく注いだ場合(熱湯)
    • 水色ははっきりしている
    • 香りが強い
    • 味わいに「濃」がある
    • 2煎目でも水色は濃いが若干退色
    • 日本茶に近い渋みを感じた
  • ゆっくり注いだ場合(湯冷まし)
    • 水色は薄い
    • まろやかで爽やかな感じ
    • 2煎目では緑みが残る
    • 2煎目ではフルーティーでお花の香りの複雑な香りが出てきた

3. 烏龍茶・四季春(Sさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色は予想外に薄かった
    • 味わいがあり美味しいが「軽い美味しさ」
    • 飲んだ後はさっぱりして口に残らない
    • 冷めるとゆっくり注いだ方より物足りなく感じた
  • ゆっくり注いだ場合
    • 水色は少し黄色っぽい
    • 落ち着いた味わい
    • 飲んだ後に口の中に甘さが残る
    • 冷めてきた時の方がより美味しく感じた

4. 祁門紅茶(Dさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色は両方ともほぼ同じで差が出にくかった
    • 香りが「ぶわっと」出る
    • 最初は渋みを感じるが、2煎目で柔らかくなり、3煎目で甘みが出てきた
    • 温度が下がると「強い主張」をしてくる感じ
  • ゆっくり注いだ場合
    • 香りは「ほわっと」する感じ
    • 冷めると甘くなってくる
    • 初めは甘みがあり、2戦目でまろやかな甘みに、3煎目には甘味が変わった
    • 時間経過による変化が勢いよく注いだ場合と逆転した

5. 凍頂烏龍茶(Yさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色の方が濃い
    • 味はそれほど出なかった
    • 2煎目以降は香りが出てきた
    • 冷めると味がなくなり渋みが目立つ
  • ゆっくり注いだ場合
    • 水色は薄い
    • 時間が経つと味わいが出てきた
    • 冷めると香りが立ち、冷めた方が美味しく感じた

6. 烏龍茶・果韻単叢(Tさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色が濃い
    • 渋みは両方とも出たが、勢いよく入れた方が渋みが強くなった
    • 香りはフルーティーでドライフルーツのような良い香り
    • 茶葉は「緊張している」ように見えた
  • ゆっくり注いだ場合
    • 水色は薄め
    • 2煎目で渋みが落ち着き、香りが口の中に戻ってくる感じになった
    • 茶葉は「ふんわり開いて」いた
    • 3煎目は温度を下げてみたら渋みが出た

7. 紅茶・金駿眉(Mさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色はあまり変わらなかった
    • 香りがしっかり出る
    • 3煎目になると予想外に甘みが出てきた
  • ゆっくり注いだ場合
    • 甘みが際立つ
    • 「ミルクチョコみたいな」甘いチョコレート系の香り
    • まとまりがあり、トロっとした感じ
    • 安定的に美味しく感じた

8. 緑茶・安吉白茶(Mさん)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色がはっきり出る
    • はっきりしたお茶の味でやや濃い
    • 2煎目では渋みが出た
    • 浮いている産毛が多い
  • ゆっくり注いだ場合
    • 水色は薄い
    • 味と香りが柔らかい
    • 2煎目では甘みが強くなり、香りにも甘みが入ってきた
    • 産毛が少なめ
    • 2煎目は甘い香りが漂う

9. 白茶・白牡丹(ゆえじ)

  • 勢いよく注いだ場合
    • 水色が濃い
    • 香りは「わっ」と来る
    • 喉越しがしっかりしていて喉に直接当たる感じ
    • 味のパンチはあるが、まとまりが感じられず「粒子が散っている感じ」
  • ゆっくり注いだ場合
    • 水色は淡い
    • 香りは優しくふんわり
    • 「つやのある感じ」でまとまりがある
    • 甘みが引き立つ
    • 舌の上でしっかり感じられ、後味が甘く残る

10. 緑茶・六安瓜片(Cさん)

  • 勢いよく注いだ場合(熱々)
    • 緑色の水色が出た
    • 渋みが出た
    • 熱すぎて味があまりわからなかった
  • ゆっくり注いだ場合(低温)
    • 黄色い水色
    • 香りが甘く感じられた
    • まろやかな美味しい味

実験結果まとめ

茶葉勢いよく注ぐゆっくり注ぐ
黄山毛峰渋みが強く、水色が濃い。味はさらっとしているが渋みが喉に残る。甘みが際立ち、喉ごしがしっとり。香りも強く立つ。
都匀毛尖水色が濃く、香りが強く、味わいもしっかりしている。水色が薄いが甘く複雑な香り。まろやかで爽やか。
金駿眉香りが立ち、やや渋みがあるが甘みが後から出る。甘みがあり、ミルクチョコのようなまろやかな香りと味わい。
四季春初めは軽やかでさっぱりした美味しさだが、冷めると薄く感じる。落ち着いた味わいで、飲み終わった後の甘さが口に残る。
祁門紅茶色の変化は少ないが、最初は渋みが強く徐々に甘みが出る。安定した甘みがあり、徐々にまろやかさが増す。
凍頂烏龍茶温かいうちは香りがよく出るが、冷めると味が薄く渋みが残る。冷めるにつれて香りと味がはっきりし、美味しさが増す。
果韻単叢渋みが強く、香りは良いが味が尖りやすい。渋みが抑えられ、後味の香りが豊かで濃厚。
白牡丹香りがしっかり立ち、味は力強いが少し散らばる感じがする。まとまりがあり、甘みが口に残る滑らかな味わい。
六安瓜片渋みがあり緑色が強く出るが味はわかりにくい。黄色っぽくまろやかで甘みがあり、香りが良い。
安吉白茶はっきりしたお茶の味でやや濃い。2煎目は渋みが目立つ味と香りが柔らかい。2煎目は甘みが引き立つ

重要な観察点

  1. 茶葉の特性によって最適な注ぎ方が異なる
    • 同じ茶葉でも、勢いよく注いだ方が美味しくなるものと、ゆっくり注いだ方が美味しくなるものがある。
  2. 温度との関係
    • お湯の温度も味わいに大きく影響する。
    • 高い位置から注ぐとお湯が空気に触れる面積が増え、温度が下がる可能性がある。
    • 勢いよく注ぐ際の目的の一つは高温を維持することである。
  3. 茶葉の大きさと注ぎ方の関係
    • 茶葉が大きいお茶より小さいお茶の方が注ぎ方による差が出やすい傾向がある。
    • 紅茶のように茶葉が小さいお茶は差が出にくい可能性がある。
  4. 時間経過による変化
    • 注ぎ方の違いは、時間経過によって味わいの変化の仕方にも影響する。
    • 冷めると逆転する場合もある(最初は勢いよく注いだ方が良かったが、冷めるとゆっくり注いだ方が美味しくなるなど)。
  5. 茶葉の開き方の違い
    • 注ぎ方によって茶葉の開き方も変わることがあり、これが香りや味わいに影響する。
  6. 注ぎ方のテクニック
    • 高さを変える(高いところから注ぐか低いところから注ぐか)
    • 茶葉に直接当てるか外腕の縁に当てるか
    • ケトルから外腕、外腕から茶会、茶会から茶杯へと注ぐ時の流れを一貫させる重要性

この実験から、お茶を入れる際には茶葉の特性を理解した上で、注ぎ方、温度、時間などを総合的に考慮して最適な方法を選ぶことが大切であることがわかります。また、同じ茶葉でも注ぎ方によって全く異なる味わいを引き出せることが示されており、お茶の奥深さを感じさせる結果となっています。

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