代表的な黄茶の一つである霍山黄芽について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。
霍山黄芽の特徴
- 霍山黄芽( かくざこうが / huo4 shan1 huang2 ya2 )
唐代には皇帝への献上茶になっていたという1000年以上の長い歴史を持つお茶(ただし、現代の黄茶とは別物である、というのが通説)。別名「芽茶」とも呼ばれる。
形状 | 「霍の舌」と形容される細く繊細で黄緑色の茶葉 |
水色 | 透明感のある黄緑色 |
香り | 爽やかで栗に似たようなほのかな甘みもある |
味わい | 清らかでコクがあり、後味はほんのり甘みを感じる |
霍山黄芽の産地
- 安徽省霍山県大化坪鎮金鶏山、太陽郷金竹坪、金剛台
霍山黄芽の産地は歴史が古く、唐代から製茶が行われていたという。季節風の影響が大きく四季の差ははっきりしているが年間を通じての気温差は穏やか。霍山県は山地が多く、土壌も肥沃で水源も豊富、茶葉の生育に適した土地である。
海抜 | 800m以上 |
年間平均気温 | 14~16℃ |
年間平均降雨量 | 1200~1300mm |
土壌 | 褐色、柔軟地質、pH6.5 |
霍山黄芽の歴史・逸話
- 唐朝以前から作られていたお茶で、唐代には皇帝への14の献上品の一つに数えられていたという歴史があり、唐の李肇の書いた『唐国史補』にも「寿州(安徽省)に霍山の黄芽あり」との記載がある。ただし、当時の製法は現在と違い緑茶に近いもので、茶葉も固形状の餅茶だったと考えられる。
- 明代(もしくは清代)には黄茶としての製法で生産され始めたとされているが、一時期途絶え、1971~72年に復活をした。
- 清の同治年間に著された『六安州志』によると、明・清代に霍山茶は全州の四分の三を占める主要なお茶であったという。
- 高温多湿の場所に茶葉を広げて放置する「攤放(たんほう)」という工程を数度繰り返す。これが霍山黄芽の味や香りを決める独自の製造工程。
- 霍山は別名、潜山、天柱山とも呼ばれている。