紅茶発祥の地・武夷山桐木村の風景

こんにちは、中国茶ライフスタイル文化協会代表理事のゆえじです。

今回ご紹介するテーマは「紅茶が生まれた場所・武夷山桐木村の風景」です。

桐木村は武夷山市内から車で約2時間

中国を代表する紅茶・正山小種(ラプサンスーチョン)は世界初の紅茶と言われています。つまり正山小種の産地である武夷山市星村鎮桐木村は「紅茶発祥の地」ともいえるのです。

そんな桐木村へ!現地の方のアテンドでついに!行ってきましたー!

桐木村は武夷山市内から車で片道約2時間。ギリギリ車がすれ違えるレベルの細い山道をひた走ります。私は普通に車酔いしました😂

桐木村があるのは「武夷山国家級自然保護区」、これはいわゆる正岩茶の「武夷山国家級風景区」とは別物で、面積は約565平方キロメートルもある広大なエリアです。

自然保護区の入り口には関所のようなものがあり、自由に出入りできる場所ではないということがわかります。

桐木村はここからさらに12km

2000年代初頭くらいまで昔は外国人は入れないエリアだったとか・・・日本人が入れてもらう時は私語禁止だったという話を聞いたことがあります(話すと日本人だとバレてしまうから)

今はおそらく制限は緩和されているみたいで、私たち以外にも地元の人の招待で自然保護区を訪れている人は多くいました。

自然保護区の風景

桐木村への山道は清流沿いにずっと続いていて、どことなく四国を連想するような山深い迫力がありました。

野生のサルがいたり!竹林が広がるエリアもありました。

桐木村に到着!

そしてついに!桐木村に到着しました。静かな農村で道路沿いには正山小種のお茶屋産が軒を連ねています。

食堂「自然山荘」裏には茶畑が広がる
裏山は茶畑

一部には伝統的な木造建築も残っていて、雰囲気はバツグンです!

下梅村を思い出す…

茶畑の様子

自然保護区内に入ると、桐木村を中心に、そこかしこに茶樹がありました。

日本のような整った形の茶畑ではなく、一本一本の木が自立しているような、機械摘みには適していないのがわかります。収穫は手摘みです。

そしてありがいことに、地元を代表するブランド「正山堂」で紅茶飲み比べをさせていただきました・・・!!

「正山小種発祥の地」

中国紅茶が花開いたきっかけの名茶「金駿眉」

正山堂は2000年代に金駿眉(きんしゅんび)という芽だけをつかった新しい紅茶を開発した本家本元。

長らく中国では紅茶は西欧への輸出商品としての歴史が長く、中国人が好んで飲むお茶ではありませんでした。伝統ある名茶・正山小種も下火となっていました。

それが金駿眉がきっかけで中国紅茶が花開き全国各地で生産されるようになったのです。

金駿眉は正山小種と同じ「菜茶」という地元の在来種の芽の部分だけを使い、渋みを抑えた紅茶。製法は異なるものの、正山小種から派生した新しい紅茶です。

金駿眉は芽だけ、正山小種は葉も使います

現在では芽だけを使った紅茶のことを金駿眉(駿眉紅茶)と呼ぶこともありますが、桐木村の金駿眉こそが本来の金駿眉といえます。(桐木村以外の産地の金駿眉がニセモノというわけではなく)

その正山堂も現在ではその金駿眉の技術力をもって中国各地で駿眉紅茶の生産を行っています。

貴州省、湖南省、河南省、そしてチベットでも。

各地のお茶を飲み比べてみましたが、品種や土壌によって香りが華やかなもの、味わいの余韻が深いものなど個性もさまざま。

そして本場の金駿眉は口に含んだ瞬間「あ、おいし!」ってなるほど美味しかったです。蜜のような甘み。紅茶なのに舌にのこるような渋みもほとんどない。お茶として本当においしかったです。

桐木村の紅茶が高価な理由

正山堂の金駿眉は販売価格が1缶50g入りで950元、日本円にして約19,000円もします。正直言って高い!気軽に買えるお値段ではありません。私も以前高くて購入を諦めたことがあります。

今回、実際に桐木村の現地を訪れてみて感じたことは、この値段は決して法外な高さではない、ということ。

国家級自然保護区の中という限られた生産量、小さな芽をひとつひとつ手摘みで収穫する人件費、ギリギリ車がすれ違える程度の細い山道を往復4時間かけて運ぶ輸送費、などなど。桐木村の環境でのお茶作りが容易ではないことがよ〜く分かりました。

世界中に広まった紅茶が生まれた場所

以上、世界初の紅茶・正山小種の発祥地、桐木村のご紹介でした!

あの山奥の小さな村で作られた紅茶がヨーロッパにまで届けられ、インドやスリランカ、アフリカなど世界各地で生産されるようになったと考えると…ロマンチックですし、感慨深いものがあります。

現地の空気感がより伝わるかなと思い、実は動画もいろいろ撮りました!

ゆえじちゃんこのインスタグラムのハイライト「正山小種の桐木村」をぜひご覧ください

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