【中国紅茶】祁門紅茶の特徴、産地、歴史・逸話

代表的な中国紅茶の一つである祁門紅茶について、特徴や産地、歴史・逸話などをまとめています。

祁門紅茶の特徴

  • 祁門紅茶( キーマンこうちゃ / Qi men hong cha )
祁門紅茶 茶葉

伝統的な中国十大銘茶のひとつ。祁紅、祁門工夫とも呼ばれる。紅茶の中では特に100年以上の歴史ある銘柄。輸出量も多い。インドのダージリン、スリランカのウバと並び、世界三大紅茶と称される。

形状繊細で細く締まった茶葉。
「宝光」と称される艶のある深い黒色。
黄金色の産毛も多い
水色艶のある赤みがかった茶色
香り「祁門香」と呼ばれる
リンゴや蘭に似た馥郁たる香り
味わい濃厚でまろやか。
自然な甘みも感じられる

祁門香とは
ゲラニオール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールを特徴的な香気成分としたもので、花香、果香と蜜糖香などの祁門紅茶独特の風味。

祁門紅茶の産地

  • 安徽省黄山市祁門県

祁門県は地理条件や気候条件が茶葉栽培に適していることから、古くから茶の生産地として名を知られていたが、紅茶を作り始めたのは1870年代以降。

海抜100~350m、
多雲霧、峡谷、丘陵地域
年間平均気温15~16℃
年間平均降雨量1600~2000mm
土壌黄色土壌、肥沃、
通気性と保水力に優れる

祁門紅茶の歴史・逸話

  • 清代の光緒帝の頃(1875~1908年)緑茶の売れ行きが悪くなってきたため、紅茶の作り方を研究していた安徽省黟(い)県の余甘臣という人物が、福建省の紅茶を模倣して完成させたお茶。
  • 1915年パナマ太平洋万博で金賞を受賞し、世界的な知名度が高くなった。
  • 櫧葉(しょよう)種(=祁門種)というタンニン顔料がやや少ない中葉品種で作られるため、苦みや渋みは少ない傾向。
  • 以前は祁門県の周辺で生産されたものも全て祁紅と呼ばれていたが、現在ではそれら周辺のものは「池紅」と区別されている。
  • 祁門紅茶は製造方法によって大きく3種類に分類される。
①祁門工夫紅茶・伝統製法
・条形
②祁紅香螺・新製法
・巻曲形
③祁紅毛峰・新製法
・弯曲形
  • ①祁門工夫紅茶:いわゆる伝統製法。精製(仕上げ)の段階で切細(カット)するため、仕上がるお茶は水色が濃くなり、渋みが出やすい。(ちなみにCTC製法だと発酵の段階でカットする⇒発酵が早く進むので楽)
  • ②祁紅香螺、③祁紅毛峰:1999年に開発され、2010年以降広まった新製法はカットしない。そのため、仕上がるお茶は水色が薄く、渋みも出にくい。新製法(香螺、毛峰)の方が中国人好み
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